ポルノ視聴の弊害については、研究によって少しずつ明らかになってきています(関連記事:ポルノ視聴の悪影響)。
今後もさまざまな研究が進み、その影響がさらに解明されていくでしょう。
しかし、研究を待たずとも明らかな問題があります。それは「時間を奪われること」です。
以下の引用からもわかるように、実際に週に10時間以上もポルノ視聴に時間を費やしている人がいるようです。
イギリスでの調査によると、平均的な少年は週に二時間近くポルノを視聴している。若い男性の三人に一人は視聴時間が週に一時間以内のライトユーザーだったが、ヘビーユーザーに類別された人(調査対象の数パーセント)の五人に四人が週に10時間以上も視聴していた。
『男子劣化社会』 p. 53
1年間、もしポルノ視聴をやめたらどんなことができるだろうか。
もしあなたが週に10時間ポルノを見ているとしたら、1年間で合計520時間を費やしていることになります。では、520時間あればどんなことができるでしょうか? 少し考えてみましょう。
- 520時間:1年間にポルノヘビーユーザーがポルノ視聴に費やす時間
- 450時間:TOEIC(R)600点取得に必要な勉強時間(参考:ユーキャン)
- 100-200時間:簿記2級合格に必要な勉強時間(参考:スタンディング簿記講座)
- 150-250時間:動画編集スキルの習得に必要となる勉強時間(参考:Movie Mania)
- 40-80時間:ギター初心者が趣味としてギターを楽しむレベルに到達するための練習時間(参考:Guitarの東大)
- 300時間:10万字程度の文庫本を100冊読了するまでの時間(参考:速読情報館)
いかがでしょうか。ポルノを見る時間をなくせば、これほど多くのことを達成できるのです。先ほど挙げた活動以外にも、例えば毎日1時間の散歩を習慣にすれば健康が向上しますし、友人や家族との時間を増やせば、人間関係をより深めることができます。
さらに、たとえ週に1時間しかポルノを見ない「ライトユーザー」でも、年間で約50時間を節約できます。50時間あれば、本を10冊以上読んだり、筋トレで引き締まった体を作ったりすることも可能です。
ポルノ禁止に関する研究が少ないことはよく指摘されます。しかし、ポルノを見ないことで時間を節約できるのは、研究結果がなくても明らかです。見なければ、その分の時間が手に入ります。そして、その時間をもっと有意義なことに使うことができます。
限られた人生の中で、私たちは何に時間を使うべきなのでしょうか。インターネットが発達した現代社会において、この問いが今、私たち一人ひとりに投げかけられています。
参考文献
『男子劣化社会』フィリップ・ジンバルドー、ニキータ・クーロン、高月園子[訳]